パジェロエボリューション。
三菱がパリダカ全盛期に集大成として世に送り出した一台。
6G74 MIVECエンジン・V6 3500 DOHC24バルブシステムによる280psのモンスターマシン。
当社でもお客様が慣れ親しんだパジェロからの乗換で購入いただいてから6ヵ月ごとの定期点検を欠かさず受けて頂いた極上の一台。
年末年始で奥様のご実家まで帰省するので心配なので12ヶ月点検とスタッドレスタイヤの交換を12月の終わりに依頼されました。
隅々まで点検させて頂き問題点も見当たらず、無事に納車となりました。
1月3日に中央道でご実家に帰省中、諏訪のパーキングエリアで休憩中に異変に気付いたそうです。
普段しない音がエンジンルームから鳴り響いていたそうです。
気になったお客様はロードサービスに電話し自走を断念、当社に連絡が入ったのでした。
インター近くの車屋さんにとりあえず入庫して状況確認。
するとクランクプーリーのボルトが破損してファンと干渉して異音が出ていたそうです。
お客様の判断はとても素晴らしくこのまま走行していたら、高速走行中にクランクプーリーが外れ大事故に繋がる恐ろしい故障でした。
見て頂いた整備工場でも『考えられない故障ですね。』と言われたそうです。
当社の整備履歴を振り返ってみてもクランクプーリーのボルトが破損すると言ったケースは過去に発生した事例がありません。
これはメーカー側のリコールに繋がるんじゃないかと思い、近所にある三菱ディーラーさん関東三菱自動車株式会社 甲西店に発生事例を伝える事にしました。
ディーラー担当者の工場長による回答は、『リコール対象になっていないのでこちらでは対応出来ません』とのご返事。
腑に落ちない当社としては、三菱の過去のリコール状況を調べてみました。
すると“パジェロ・デリカなど3車種のV6エンジン(クランクプーリーボルト)について”と言う以下のデータにたどり着きました。
http://recall.mitsubishi-motors.co.jp/Recall/displayselect.do?orderno=10648
イラストを見て衝撃を受けたんですが、当社に入庫している破損ボルトの画像がこれです。
まさにイラストデータと同じ場所同じボルトがリコール対象になっています。
エボリューションの初年度登録がH9年12月なのでリコール対象車との時期も合致します。
このデータも含め再度三菱ディーラー甲西店の工場長に問い合わせしてみましたが、『ワンオーナーのお車でしたらまだしも、中古車でお買い上げ頂いたお車は対象外です。』
続いて『当社でもお客様のお車を調べました所、2004年.6.02の某三菱ディーラーにてエンジンオーバーホールを行なっています。ですのでなおさら対象外です。』との回答。
当社はCAA中部のオークション会場からワンオーナー保証書・記録簿付で仕入れています。
お客様の車検証入れには、当時の整備履歴が全て記入され今も大切に保管してあります。
その整備履歴には何も記載されず、ディーラーの臨時整備の欄に無料整備の記録が残っているのみです。
『ディーラーに残っている整備履歴を教えて下さい』と問い合わせると、『個人情報なので教えられません。』と回答いただきました。
どうにも三菱の対応が気になるのでもう少し調べてみると、パジェロのクランクプーリーボルトに係わる事故や故障がかなり報告されています。
http://carinf.mlit.go.jp/jidosha/carinf/opn/OpnBrwAct.do
お客様の大切な命に係わる重大な故障です。
“リコール隠し”とも取れる件なので、もう少し三菱側には真剣に対応して欲しいです。